飲んでいる睡眠薬(特にベンゾジアゼピン)を減らすには

不眠の悩みは、本当につらいものです。眠れない夜を何とかしようと、睡眠薬を使っている場合もあるでしょう。しかし、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、長期間の使用によって耐性や依存が生じることがあります[1]。そんな時、どのようにして安全に薬の量を減らしていけばいいのでしょうか。

ベンゾジアピン系睡眠薬の依存形成・耐性についてはこちらをご覧ください

まずは、徐々に用量を減らすことが推奨されています[1]。急激な中止は離脱症状を引き起こす可能性があるため、安全な減薬のためには医師の指導のもとで行うことが大切です。

また、認知行動療法睡眠衛生指導が有用であるとされています[2]。認知行動療法は、不眠症の根本的な原因にアプローチし、睡眠に関する誤った信念や行動を修正することを目的としています。また、睡眠衛生指導により、不眠を引き起こしたり悪化させたりしてしまうような個々の生活習慣や睡眠環境を改善し、良質な睡眠を促進するためのアドバイスやガイダンスを受けることができます。研究によると、認知行動療法を取り入れた段階的な減量は、単に減量するだけよりも効果的であることが示されています[2]

減薬は、非常にゆっくり進めていくことが重要です。決して焦ってはいけません。医師の監督のもと、身体が気づかないくらいの量を減らしていくことにより、不眠症状の解消と減薬を両立できます。ですから、睡眠薬の減薬を考えている方は、専門のクリニックでのサポートを受けることをお勧めします。

当院(睡眠プライマリケアクリニック)では、睡眠衛生指導やPartial CBTi(部分的な認知行動療法: ベッドとの付き合い方、睡眠スケジュールや入眠儀式の見直し等)をはじめとする心理社会的アプローチを取り入れております。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の減薬をお考えの方は、ぜひご受診をご検討ください。

診察予約は、当クリニックのウェブサイトから承っております。不眠症状でお悩みの方、睡眠薬の減薬をご希望の方、一歩を踏み出してみませんか?

(参考)不眠に関する生活習慣改善についてはこちらをご覧ください

[1]Guaiana G, Barbui C. Discontinuing benzodiazepines: best practices. Epidemiol Psychiatr Sci. 2016 Jun;25(3):214-6. doi: 10.1017/S2045796016000032. Epub 2016 Jan 28. PMID: 26818890; PMCID: PMC6998737.

[2]Yoshikazu Takaesu, et al. Psychosocial intervention for discontinuing benzodiazepine hypnotics in patients with chronic insomnia: A systematic review and meta-analysis. Sleep Medicine Reviews,
Volume 48. 2019. 101214. ISSN 1087-0792. https://doi.org/10.1016/j.smrv.2019.101214.