新生活は不眠症に要注意?

こんにちは、睡眠プライマリケアクリニック池袋です。

4月に入り、いよいよ新年度になりましたね。新生活が始まり、転職や転勤に伴ってお引っ越しをされた方も多いのではないでしょうか。新しい生活が始まる期待や不安で何だかワクワクする季節ではありますが、その反面、皆さんの“睡眠”にも注意が必要な時期であることを簡単に紹介します。

まずは、新しい生活による適応性不眠(adjustment insomnia)¹という状態に注意が必要です。新生活が始まって環境が変化することがきっかけとなり、そのストレス(プレッシャー)から不眠になることが少なくありません。生活環境になんらかの変化があった後で、週に3日以上眠れない日がある²、という場合は早めに専門機関を受診しましょう。

また光(ブルーライト)の影響で体内時計が乱れ、“リズム障害”という状態を引き起こすという話はこちらでも紹介しましたが、「都市部に近づくにつれて寝る時間が遅くなり、睡眠スケジュール(=何時から何時まで寝るか)が後ろにずれる(下図)」³という研究報告もあります。特に仕事や課題で夜遅くまでディスプレイから出るブルーライトを浴びる機会が増えることが夜型化を引き起こすことが知られています。

Pilz K, et al. Sleep and light exposure across different levels of urbanisation in Brazilian
communities. Scientific Reports. 2018.より改変

 

東京に初めていらしたという方や新社会人の方など、光に接する環境が大きく変化したという方は、合わせて注意してみることをおすすめします。 それでは睡眠に気をつけながら、新生活を楽しんでお過ごしください。

1.アメリカ睡眠医学会. 「Adjustment Insomnia」 https://www.sleepassociation.org/sleep-disorders/insomnia/adjustment-insomnia/ 2022/4/1アクセス

2. Ellis J, et al. Acute insomnia: Current conceptualizations and future directions. Sleep Medicine Reviews. 2011.

3. Pilz K, et al. Sleep and light exposure across different levels of urbanisation in Brazilian communities. Scientific Reports. 2018.