睡眠検査とは、眠っている間の身体の状態を客観的に測定し、睡眠障害の有無を診断するための医療的検査です。
主に「ポリソムノグラフィ(PSG)検査」と呼ばれる1泊検査と、「反復睡眠潜時検査(MSLT)」と呼ばれる眠気を評価するための検査があり、脳波、眼球運動、筋電図、呼吸、心拍、血中酸素濃度などを同時に記録します。
これにより、いびきや無呼吸、異常行動、足の動き、不眠や過眠の原因など、通常は本人が自覚しにくい睡眠中の異常を詳しく分析することが可能になります。
今回は、1泊で行う睡眠検査、PSG検査について詳しく説明します!
「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」
「パートナーに“寝てる間いびきが止まってた”と言われた」
実は、こうした悩みの裏に“睡眠中の異常”が潜んでいることがあります。そんなときに行うのが「PSG検査」です。
PSG検査は、一晩かけて睡眠中の体の状態をくまなく調べる検査です。
就寝から起床まで睡眠の状態をモニターし、「寝てる間に呼吸が止まっていないか」「足が勝手に動いていないか」などを記録します。睡眠の質まで詳しくチェックすることができます。
主にモニターしているのは以下の項目です。
合計すると、約25本のセンサーを装着することになります。さらに検査中は睡眠中の行動観察のため、カメラによる撮影も行います。
頭から足まで様々なセンサーが付くため、一見すると窮屈そうに見えますが、センサーは全てまとめて粘着パッドやベルトでまとめるため、意外と動きやすく、寝返りも打てますし、お手洗いにも行くことが出来ます。
日々の睡眠リズムを把握するため、睡眠日誌をつけることが多い
もし検査結果に影響してしまう薬剤を服用している場合は、医師の指示がある期間服用を中止する
アルコール・カフェインを避ける
普段通りの睡眠リズムを心がける
夕方〜夜に来院し、電極・センサーを装着(約1時間程度を要する)
個室で就寝(通常22時ごろ消灯~翌6時ごろ点灯)
センサーを取り外し、睡眠について簡単な聞き取りを行います
必要に応じてMSLT(反復睡眠潜時検査)を続けて実施します(過眠症の疑いがある場合など)
検査が終わると、1晩記録した睡眠の記録の解析を行います。
検査によって、睡眠ステージ(浅い睡眠・深い睡眠・レム睡眠など)の分布、寝つくまでにかかった時間、夜間の中途覚醒の回数、総睡眠時間、睡眠効率など、その人の睡眠の状態を詳しく見ることが出来ます。
さらに、呼吸状態の観察(どれくらいの頻度で呼吸が止まっているか)、酸素飽和度(SpO₂)の低下の有無、上肢下肢の動き、睡眠発作、レム睡眠の異常な出現などを詳細に調べ、以下のような疾患を調べることができます
基本的には通常通りに一晩寝ていただく検査ですが、以下の点は注意が必要です。
以上の通り、PSG検査では様々なセンサーを付けて1晩の睡眠を記録し、普通に生活していては調べることが出来ない自分の睡眠の客観的な評価を行うことが出来ます。
しっかり寝ているはずなのに日中眠い、いびきが大きいと指摘される、睡眠薬を飲んでも不眠が改善しない、などの症状があったらPSG検査が有効かもしれません! まずは専門の医師に相談してみましょう。