睡眠外来で用いる睡眠日誌とは?

睡眠日誌とは何か?

いつ眠り、いつ起きているかを把握することは睡眠障害・睡眠にまつわる問題を明らかにする上で非常に重要です。これを記録する表を、睡眠日誌(Sleep Diary / Sleep Log)と呼びます。最低1~2週間ほどの記録があると、睡眠不足や睡眠リズムの把握が可能となります。中途覚醒のタイミング、服薬の時間、強い眠気が生じた時間、食事の時間なども記録することで、日中の行動や夜間の睡眠がどのように互いに影響しているかを把握することができます。睡眠の質は、食事、運動、ストレスといったさまざまな要因によって変わります。これらを可視化することで、良質な睡眠を促進または妨げる習慣が明らかになり、改善の手がかりとなります。

睡眠日誌テンプレート

睡眠プライマリケアクリニックでは、みなさんが簡単に睡眠記録を始められるように、無料でダウンロードできる睡眠日誌テンプレートを提供しています。実際の記入例とともに解説しているので、どのように記録を始めれば良いかも確認することができます。

↑当院の睡眠日誌テンプレート

睡眠日誌を効果的に使うためには、毎日記録することが不可欠です。例えば、”就寝前に書く”というように記録する時間帯を決め、できるだけ正確な情報を記入するとよいでしょう。

睡眠日誌の活用方法

自分の睡眠記録を客観的に見てみることで、睡眠に影響を与える潜在的な要因を見つけることができます。例えば、夜ご飯の時間が遅かった日は寝つきにくい傾向があったり、寝酒をした夜は中途覚醒が多かったりするかもしれません。

こうしたパターンを把握することで、具体的な生活習慣の改善策を試すことができます。

また、外来を受診する際にも、事前に記録した睡眠日誌を持参していただくと、診察がスムーズに進みます(当院では診療の上で、睡眠日誌が必要と思われる方々には睡眠日誌をお渡ししておりますので、再診時の持参でも構いません)。連続した1-2週間の睡眠パターンを把握することで診断を下すことができるケースもあります。

例えば、図1のような睡眠記録の方だと「睡眠覚醒後退障害(DSWPD/DSPS)」、図2のような睡眠記録の方だと「非24時間睡眠・覚醒リズム障害(Non-24)」と診断できる可能性が非常に高いです。睡眠日誌は患者さんと医師間のコミュニケーションを促進し、より早くより効果的な治療につなげることを可能にします。

まとめ

睡眠日誌は自分自身の睡眠の質を向上させるためにも、外来での患者さんと医師の間のコミュニケーションを促進するためにも、有効なツールです。当院が提供しているテンプレート等を活用し、気軽に記録を始めてみましょう。不眠や睡眠障害にて、お困りの方はお気軽にご来院下さい。