睡眠関連運動障害

RLS: Restless Legs Syndrome: むずむず脚症候群

典型的には夕方くらいから足がむずむずしはじめ、いてもたってもいられなくなり、眠るどころではなくなります。人によってはむずむずではなく痛みが主訴になる場合もあります(Painful RLS)。小児の場合には「成長痛」と誤解されることがあります(眠っている最中ではなく寝入りばなや寝ようとしている時に生じることから区別できます)。また、脚ではなく手や体幹、肛門などに症状が生じる場合もあります。

貯蔵鉄の減少や鉄の利用障害(腎不全・慢性炎症)、脊椎疾患(椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄)、妊娠などで起きることもあり、その原因となっている疾患の治療が有効です。子どもの場合は生後6ヶ月~小児期を中心に鉄欠乏が生じるため、注意が必要です。

鉄欠乏が存在している場合は、薬剤やサプリメントの使用による鉄の補充が有用です。また、カフェインの使用や喫煙は症状を悪化させることが知られていますので、もしもコーヒーや茶などを常飲している場合や、喫煙をしている場合には、減量も有用です。

明らかな原因が不明な時や、症状がつらい時、ガバペンチンエナカルビル、プラミペキソール、クロナゼパムなどの治療薬を服用することで、症状の改善を図ります。

PLMD: 周期性四肢運動障害

寝ている時に手足のぴくつきが頻繁に起きて熟睡できないという病態ですが、睡眠中の手足のぴくつきは、本人はほとんど気づくことができません。「眠りが浅い」「頻繁に起きる」「起床しても疲れている」という症状が生じ、睡眠検査で見つかることの多い病態です。特にふくらはぎの筋肉がぴくつくことが多く、やけに寝相が悪いなどの症状も生じ、まれに隣で寝ている人や壁を蹴飛ばすこともあります。

加齢と共に頻度が上昇し、60歳以上の10~30%はPLMDがある(顕在化していない場合を含む)と言われています。ちゃんと寝ているはずなのに、昼間眠い場合には、疑うべき疾患です。治療法はRLSとほぼ同様になります。

睡眠関連歯ぎしり(Sleep Related Bruxism)

睡眠中に日々のストレス、噛み合わせの悪さ、顎関節症、そして遺伝などが原因で、強い歯ぎしりを引き起こします。起床時の歯の違和感や頭痛、インプラントの脱落、不眠などを引き起こします。

睡眠時ブラキシズムは、小児で10~20%、成人では約5~8%、高齢者で2~3%と、比較的頻度の高い疾患です。

治療にはマウスピースや薬剤などを使用しますが、顎関節症や合わない枕(特に高すぎる枕)、カフェイン・喫煙など、原因を探ることも重要です。

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