こんにちは。睡眠プライマリケアクリニックです。
以前のコラムでは、睡眠日誌は、睡眠の問題を客観的に把握し、診断や治療方針を考えるうえで重要な「羅針盤」のようなツールであるとお伝えしました。
睡眠日誌には、就寝時刻、寝つくまでの時間、夜中に目が覚めた回数、起床時刻、昼寝、日中の眠気などを記録します。こうした情報があることで、「なんとなく眠れていない」という感覚だけでは分かりにくい睡眠リズムを、医師と一緒に確認しやすくなります。
しかし、ここで大きな問題があります。
睡眠日誌は、大切ですが毎日書き続けるのはかなり大変です。
忙しい日が続くと記入を忘れてしまう。
あとから思い出して書くと、実際の睡眠時間とずれてしまう。
外来に持ってくるつもりだったのに、うっかり忘れてしまう。
このような経験がある方は少なくありません。
そこで当院でご紹介したいのが、スマートフォンアプリ「心想計」です。
心想計は、スマホを使って睡眠や外出などの生活リズムを自動で記録し、生活リズム表として見える化できるアプリです。手書きの睡眠日誌が続かない方でも、日々の眠りや生活リズムを確認しやすくなり、診察時にも医師と情報を共有しやすくなります。
心想計は、株式会社ツリーベルが提供する、睡眠と生活リズムの記録・可視化を目的としたスマートフォンアプリです。大きな特徴は、スマホだけで睡眠と生活リズムを自動記録できることです。従来の睡眠日誌では、患者さん自身が毎日、寝た時間や起きた時間を記入する必要がありました。一方、心想計では、スマホのセンサー情報などをもとに、就寝・起床・外出などのリズムを記録し、生活リズム表として表示します。
つまり、心想計は、いわばスマホの中に入った自動睡眠日誌です。
「寝たつもり」
「休めているつもり」
「外に出ているつもり」
「生活リズムは崩れていないつもり」
こうした“なんとなく”を、日々のリズムとして見える形にしてくれます。
睡眠日誌は医学的に重要です。
しかし、患者さんにとっては負担になりやすいのも事実です。
睡眠日誌が空欄だらけになったり、実際とは少し違う記録になったりすることも多々あるでしょう。
そんな時に役に立つのがこの「心想計」です。
スマホを使うだけで、睡眠と外出のリズムが自動で蓄積されていく。
これは、忙しい現代人にとって非常に大きなメリットです。
もちろん、すべてを完全に判定できるわけではありません。
それでも、何も記録がない状態と比べれば、睡眠や生活リズムの傾向を医師と共有しやすくなります。
診察室で「最近どうですか?」と聞かれても、睡眠の状態を正確に説明するのは意外と難しいものです。
心想計があれば、「この週は寝る時間が遅くなっている」「外出が少ない日が続いている」「昼夜のリズムがずれているかもしれない」といった情報を、画面上で一緒に確認しやすくなります。
心想計の良いところは、単に「何時間寝たか」だけを見るアプリではない点です。
睡眠の問題は、夜だけに関連しているとは限りません。
昼間にほとんど外出していない。
夕方以降に活動量が増えている。
昼寝が長くなっている。
起床時刻が日によって大きくずれている。
平日と休日で生活リズムが大きく変わっている。
このような日中の過ごし方も、睡眠に関係することがあります。
睡眠外来で重要なのは、「夜に何時間寝たか」だけではありません。
1日全体のリズムがどうなっているかも一緒に見ることが重要です。
心想計は、この“1日の流れ”を見える化することで、睡眠の問題をより具体的に考える手がかりになります。
心想計の使い方はシンプルです。
まず、スマートフォンにアプリをインストールします。
Androidの方はGoogle Play、iPhoneの方はApp Storeからインストールできます。

次に、初回起動時に必要な権限を許可します。
心想計はスマホの機能を使って睡眠や外出などを判定するため、初回起動時にいくつかの権限許可が必要になります。
ここで設定を済ませておくことで、日々の生活リズムが記録されやすくなります。

その後、ユーザー名を登録します。
さらに、クリニックから案内された共有コードを入力すると、医師がWEB上で生活リズム表を確認できるようになります。

睡眠を記録する方法として、スマートウォッチや活動量計などのウェアラブルデバイスを使う方法もあります。
しかし、腕につけて寝るのが苦手な方もいます。
充電が面倒に感じる方もいます。
デバイスを買うこと自体にハードルを感じる方もいるでしょう。
心想計は、日常的に使っているスマホを活用するアプリです。
新しい機器を身につける必要がない。
特別な操作を毎日続ける必要が少ない。
いつものスマホで生活リズムを記録できる。
この手軽さは、継続という点で大きな強みです。睡眠記録は、1日だけでは意味が限られます。大切なのは、数日から数週間の流れを見ることです。
心想計を使うときは、まず1週間ほど継続して記録してみることをおすすめします。
1日だけの記録では、その日の体調や予定に左右されますが、1週間分のデータがあると、平日と休日の違い、就寝時刻のばらつき、外出リズム、昼寝の傾向などが見えやすくなります。
「思っていたより寝る時間が遅かった」
「休日に大きくリズムが崩れていた」
「外に出る日と出ない日で、睡眠の感じ方が違うかもしれない」
「寝ているつもりだったけれど、生活リズム全体が後ろにずれていた」
このような気づきが、睡眠を見直すきっかけになります。
睡眠を変える第一歩は、努力ではなく、現状を知ることです。
心想計は、その現状把握を、スマホで簡単に始められるアプリなのです。
Androidの方はGoogle Play、iPhoneの方はApp Storeからインストールできます。