概日リズム睡眠・覚醒障害(睡眠相後退症候群など)を診療できる医療機関

こんにちは。睡眠プライマリケアクリニックです。最近は年度末が近づき、ライフイベントの変化に伴い、転院の相談を受けることが増えてきました。その中でも、特に睡眠リズム障害を持つ患者さんは、受診先を選ぶ際に悩まれることが多いようです。

概日リズム睡眠・覚醒障害(通称:睡眠リズム障害)とは、体内時計の状態が地球や社会の24時間周期とうまく適合できず、睡眠・覚醒リズムとの間にズレが生まれてしまうために生じるために起こる睡眠障害です。特に生活に大きな問題が出る睡眠リズム障害として、睡眠相後退症候群(DSPS/DSWPD)・非24時間睡眠覚醒症候群(non-24)・不規則型睡眠覚醒パターンなどがあります。
上記の主な症状として、夜の早い時間には寝つくことができない、朝起きられない、朝の体調が悪くて学校に行けない(不登校)、起立性調整障害と診断される、仕事や学校に遅刻する、睡眠時間が短いために居眠りをする、睡眠時間が不規則になるなどの症状が出ることがあります。

以下の図は、NPO法人睡眠リズム障害患者会Rhythm and Sleepのホームページ(詳細はこちら)を参考にして当院で作成した、睡眠リズム障害を治療可能な医療機関です(2024年10月確認/更新)。

全国には、睡眠リズム障害の診療が可能な施設は約20施設しかありません。そのため、患者さんの転居先によっては、上記の施設以外に紹介することになる場合があります。

また、他院への紹介時に必要な書類は以下の通りです。

  • 紹介状:初診日、診断名、これまでの病状などが記載されています。紹介先の医療機関が空欄のままでは作成できませんので、事前に紹介先医療機関に連絡を取り、受診する旨を紹介先医療機関に確認した後に紹介状を作成いたします。
  • 睡眠日誌:生活習慣や睡眠リズムを把握するために必要な場合があります。
  • 検査結果・画像:採血結果やPSG(ポリソムノグラフィー)結果などの検査結果が含まれることがあります。

当院では、紹介状の作成に通常1週間から2週間ほどのお時間をいただいております<よくあるご質問(FAQ)>。
転居などをきっかけに他院から当院に切り替える際も、紹介状をお持ちいただけると幸いです。

睡眠リズム障害のうち最も受診者が多い睡眠相後退症候群(DSPS/DSWPD)は、日本の15歳~30歳では4.3%の有病率があり、この年齢層に限っても100万人以上の患者がいると言われています。しかし、治療を行っている医療機関は依然として限られています。

睡眠リズム障害を治療する医療機関にアクセスが困難な方のために当院はオンライン診療を提供しております。遠方にお住いの方や、当院の診療時間にお越しになれない方はぜひご検討ください。健康保険が適用されない自費診療となりますが、交通費が高額となる地方の場合には(※片道3000~4000円以上など)、対面診療よりも廉価で治療を行うことが可能です。

当院も、睡眠リズム障害の患者さんが自ら望む生活を実現できるよう、引き続き支援を行ってまいります。